僕の瞳は、とうの前に死んでいた
気づいた時には色褪せていた
いつ頃からだったか
1ヶ月前だったか
1年前だったか
3年前だったか
はたまた10年前だったか
社会に出てからか
高校生の時からか
中学生の時からか
この世にオギャーと生まれた頃は
まだ、瞳には輝きという光が灯っていたのは確かだ
今では、そんな記憶も定かではない
いずれにしろ、現在でも未来によるものでもない
過去によるもの
実際に失明ではなく比喩として
目が死ぬ原因は様々ある
精神的に瞳が色褪せる理由は様々ある
後悔によるものか
環境によるものか
真実によるものか
絶望によるものか
疲労によるものか
不安によるものか
不快によるものか
不信によるものか
苦痛によるものか
非情によるものか
悲壮によるものか
悲劇によるものか
悲惨によるものか
惨劇によるものか
憤怒によるものか
嫌悪によるものか
憎悪によるものか
幻滅によるものか
矛盾によるものか
屈辱によるものか
拒絶によるものか
殺意によるものか
不純によるものか
皮肉によるものか
自嘲によるものか
杞憂によるものか
懸念によるものか
幻想によるものか
孤独によるものか
偽りによるものか
悟りによるものか
誤りによるものか
概念によるものか
理不尽によるものか
不自由によるものか
虚無感によるものか
世間体によるものか
無力感によるものか
無慈悲によるものか
無気力によるものか
強迫観念によるものか
夢の燃え尽きによるものか
賢者タイムによるものか
いづれにせよ
どんな原因かは定かではないが
僕の目は変わり果てた
漆黒に紫黒に暗黒に純黒に色黒に暗色に暗闇に常闇に冥闇に闇然に墨染色に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に真黒に
どこまでも深く どこまでも永遠に
どこまでも黒く どこまでも手の届かない
どこまでもダークに どこまでも生々しく
どこまでも取り返しのつかない
そんな侵食に真黒に染まっている
眼光もなく黒に鮮烈された真黒
どこか薄暗く、それというかドス黒く
真黒なヘドロの様な
真黒なベノムの様な
真黒なダークマターの様な
真黒なブラックホールの様な
黒色無双の様な
そんな光の届かない様に
僕の瞳は面影もなく黒変した
笑おうとしても、その色は変動しない
喜びに満ち溢れても、その色は変動しない
思い出に浸ろうとも、その色は変動しない
感情的になっても、その色は変動しない
心が落ち着いても、その色は変動しない
憎悪に呑まれても、その色は色濃くなるだけだ
それどころか思い出や喜びさえも闇に呑まれている
まるで、僕の人生が闇の様に賢者タイムのように
喜びとは何だ
幸福とは何だ
感情とは何だ
生とは何だ
楽とは何だ
善とは何だ
親しみとは何だ
思い出とは何だ
価値観とは何だ
腹の底から出た闇が真黒な瞳の肖像として輝きから常闇に黒変した
もう2度と光が届かない様に
その瞳からは一切の光が消えた
ずっとそうだった
ずっとそんなことだった
ありふれた人生を
闇と並行して生きてきた
みんな同じなんだ
お前も僕も結局同じなんだよ
善な奴も悪な奴も同じなんだ
結局、善も偽善で
最終的には、皆 灯り火は消え色褪せていく
そんな世の中だ
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